ご近所おすすめ書籍を紹介するシリーズ第5弾は
[amazonjs asin=”4040820444″ locale=”JP” title=”里山産業論 「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)”]
これを書かれたルポライター金丸弘美さんは、ほかにも田舎、地方に関する著書があり、どれも人気を博しています。
里山産業のではまず「食」に関する産業が触れられており、
本の中にも食に関することがたくさん掲載されています。
例えばよく耳にするようになって久しい「スローフード」。
これは特定の食事を指す言葉ではなく、NPOの名前、食に関する運動の名前だということをご存知でしたか?
そんなスローフードに関する記述を皮切りに、どの事例も「食」に対して戦略的に考えられています。
特に興味深かった事例が「食育」のプログラム。
「食育」といえば、栄養学的に「これを食べると体に良い」ということを直接的に教えたり、
体験型だとしても、田植えを一緒にするという事例のようなイメージがあります。
しかしこの本で取り上げられている、フランスのドミニクさんという講師が携わった「食育」は
それらとは一線を画していて、「栄養学的なことは授業ではやらない」といいます。
プログラムには4日間のカリキュラムが立てられています。
一日目は「五感」を働かせて食を味わうことを意識させ、味について言葉で表現できるよう語彙力を増やす。
二日目は特に嗅覚について、食物の匂い等から記憶が想起されることを意識する。
三日目は特に視覚について、色をはじめとする資格がどれだけ味に影響するかを知る。
四日目は特に触覚と聴覚について、温度と味覚の影響や、味わう時の聴覚の役割を考える。
カリキュラムを通して、子どもたちが食に対する考えを広げることができるように組まれています。
味にまつわる「五感」に対して語彙力を増やしていくこと。
「美味しい」「美味しかった」だけではなく、
その香りが「バニラ」「オーク」「アーモンド」どれに似ているか、
また匂いを嗅いだことで、どんな思い出が表れたか、
鼻をつまんで食べるのと、そのまま食べるので味はどのように違ってくるか、
そういったことを表現、描写させるのが目的で、分析や観察をする力を育み、
批判したり、意見を述べることを学びます。
単に「美味しい」「まずい」の世界ではなく、
味覚には思い出、健康状態、季節、年齢、教育も関わってきていることを知り、
様々な事象が味の感じ方を変えることを知る。そのことは、
「授業では栄養学的なことはやらない」ながらも、
結局「栄養学を学ぶことにもなる」というパラドックスを生み出します。
食を戦略的にとらえることが時代の人材を育てて、経済を回し、地域を作っていくと語るこの本。
農業、食に関わる仕事をしている人にピンとくる事例が見つかるかもしれません。
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