今をときめく移住雑誌「TURNS」。約8万部を発行し、この4月に季刊誌から隔月間誌に。不況の続く雑誌業界で休刊が相次ぐ中、ときめき続けています。編集記事だけでなく、記事と連動したカフェやツアー、ワークショップなどリアルな「場」づくりもTURNSの特長で、移住促進に取り組む自治体からのタイアップ企画のオファーも多いのだとか。
そんな人気のTURNS 4月号で、1ページの記事を書かせて戴きました。また、同じ4月号で、情報提供したお店が1ぺージで掲載されました。
掲載のきっかけは編集部を訪問したことです。百聞は一見にしかずではないですが、「100リリースは1訪問にしかず」です。あれ?この前のblogで書いた、「全国放送オンエアの道も1枚のリリースから」と違うなあと思う方、どっちも大切なんです。そして訪問する場合もリリースを送る場合も心がけているのが
①情報の引き出しが沢山あること(自社のことに限らず)
②普段からまめまめしく、且つ、継続すること
③ココぞと言うときはオートクチュールであること(メディアに合せて企画をアレンジ)
です。今回のTURNS掲載も、①②③がうまく回ったからかなぁと思っています。自画自賛気味ですが。
①は、自社だけでなく他社・業界・地域、それぞれの真面目ネタからユニークなネタ、トレンドネタまでをもっていることが大切だなと編集部を訪問して話をするたびに思います。自社広報だと、どうしても視野が狭くなって情報の引き出しの数が少なかったり、そもそも自社ネタで幅を出すことに限界があります。
ご近所は自社広報にこだわらず丹波市の魅力発信というスタンスなので手持ちネタの幅が広くメディアの求める情報にも小回りがききますが、自社広報の場合でも自分の守備(情報収集・情報発信)範囲より一歩外側までを守備範囲にしたら、かなり変わると思います。実際、TURNSの掲載はご近所のことではないですが、丹波の魅力を伝えられて、かつ編集部とも良い関係(リレーション)がつくれたから良しと思っています。リレーションはとても大切で、編集部にとって面白い情報を持っている人と思ってもらえることが重要です。そこから関係が始まるのですから。
②は、やっぱり広報は滋味~にコツコツ「継続」なんです。ご近所では、月1回のニューズレター発信を目標にしています。ここで少しニュースリリースとニューズレターの違いを説明すると、リリースは主に新しい情報の発信で、新店・新商品・新サービス・イベント開催告知などがそれに当たります。一方、ニューズレターは読み物で、業界の最新動向、トレンド、深掘りなどを綴ったもの。リリースは何よりも新規性と驚き(例えば、日本最大とか世界初とか)が重要ですが、ニューズレターは企画力や視点が重要。
例えば、「地域活性」というだれもが知っているこのテーマ。旬ではあるけどありふれている。このテーマで何をどう切り取ったら面白い情報になるか。取り上げるテーマから、面白い切り口、いくつかの他地域事例も数点リサーチしてつくるニューズレター。それを月イチ発行って結構大変です(笑)。ですが、その視点が記者にとって面白いと映れば、発売から10年経った定番商品でも光をあてることができるんです。ちなみに、ご近所が考えた地域活性をテーマとしたニューズレターは、読売新聞に取り上げられ、その後、NHKの放送にもつながりました。
③は、がっつりそのメディアの力になる気で、人やお店の調整をして企画書を書きます。もちろん、まだ、掲載が決まったわけではない企画検討段階です。書いたところで、ボツになることだって大いにあり得ます。でも、編集部内の企画会議や、記者さんが上司に提案するための資料になるはずのもの。どんだけ会議に上司に提案しやすくなるかで取材してもらえるかどうかの状況も変わるはず。そして、記者さんとのリレーションにも関わることです。大きい企画番組なら記者さんとタッグ組んでやっていく感じです。TURNSでは、特集企画のテーマに合った丹波の情報を5枚の企画書にまとめました。
この3つ、誰にでもできる簡単なことです。ニューズレターや企画書の作成は視点の訓練やメディア研究がいるかもしれませんが、継続的に真摯にコミュニケーションをとる。それができたら、編集部や記者さんにとって、頼りになる人になって、この話はこの人に聞いてみようリスト(?)にノミネートされるんです、きっと。TURNSもきっとそう。困ってる、探している、そんな時に、タイミングよく、私がいたんですね~~(笑)。そういう意味ではタイミングも大事か。まぁ、タイミングは継続してれば自ずとやって来ます。
とはいえ、①~③の何から始めたらいいのかしらと思ったら、まずは①を。情報収集の守備範囲を広げる。そして②③をするために、とにかくテレビっ子になる!テレビだけじゃなく雑誌も新聞も。相手を理解して好きになったら、結構、ラブレターって書けるもんです。
あと、「情報収集しに、本屋行ってきまーす」って言える環境の会社になれば、広報感度がグンと高くなる……気がするのは、その業務の価値が認められにくい広報担当者の心の声でしょうか(笑)