ご近所研修旅行レポート第4弾
出西窯、他郷阿部家に引き続き、暮らしに根付いた美意識に圧倒された1日目。
その余韻に浸りながらの2日目のはじまりはじまり。
伺わせて頂いたのは「シマネプロモーション」さん。
島根の魅力を冊子などで伝える企業さんです。
丹波の魅力を発信する「ご近所」としては通じるものがあります。
そこでやられているプロジェクトが、ご縁の国島根の贈り物プロジェクト。
その名も「YUTTE(ユッテ)」
「YUTTE」は、島根の民芸運動の影響を色濃く、腕の良い職人達が作る
工芸品や神事やお茶などの文化的背景に紐づいた食品を一つに詰め込んだセミオーダーの
贈り物としての販売プロジェクト。
「贈ること」でその土地を知り「贈られること」でその土地を知るプロジェクト。
「贈る人」も「贈られる人」も、ご縁の国島根をとおし、つながりを一層強く「結って」もらうきっかけになりたい
という想いから「YUTTE(ユッテ)」と名付けられたそうです。
特徴は以下の4点
・メイドインシマネ(土地に根付くもの)
・仕立ての良い貼り箱(技術・伝統の継承)
茶文化に紐づくように茶菓子屋が多く、菓子箱も多く作られている島根。
その技術を活かしオリジナルの貼り箱を作っている。
・作り手を知るカード
箱の中には品物だけでなく、セレクトしたものの産地や作り手を紹介するカードが入っている。
・セミオーダーができる。
贈りものを使うシーンや予算に応じてセミオーダーのオリジナルギフトにできる。
地域の魅力を掘り起こし、地域の産品を販売する事は増えてきています。
かくいう「YUTTE」も島根の魅力あるモノをアイデンティティとし、販売していますが、
他の地域と一線を画しているのは、“ニーズを作り出してしまった点”
かと。
プロジェクトを始められた売豆さんは島根から上京しで都会で働いていたそうです。
いつか島根に帰りたいという想いがあったのと同時に、島根には魅力がたくさんあると思っていました。
そんなおり、ご自身の結婚式の引き出物でYUTTEのやろうとしていたギフトを16パターン作成し、
とても好評だったことがきっかけで、ニーズを自分の中に見出し、一気に事業化されたそうです。
僕らが訪れた時にも、ネットと口コミだけで、9月だけでも5件の注文がはいっていました。
「YUTTE」は結婚式の引き出物という切り口で、お客さんも利用シーンが明確になり、購入しやすくなる。
贈られる人も島根の魅力を知るきっかけに、贈る人も自分が住んでいる島根を自慢したくなる。
そして扱われている作家さんも誇りに繋がる。
昔ながらの「三方よし」が出来上がっている。
自分の経験がプロトタイプとなり、事業化していく方法はご近所が目指すあり方と通じるものがある。
消費者目線で、まずはプロトタイプを作り、反応を見ながら試行錯誤を巡らせる。
かつスピーディーに。
日本全国地域商材の発信方法はあるけれど、「YUTTE」は本当に参考になるプロジェクトでした。