先日、3月1日(火)の読売新聞(朝刊・全国版)に、仕事場をシェアするという記事が載っています。
シェアオフィスやコワーキングスペースを「仕事場」にすることで、そこではたらく人たちとつながりができて、情報交換や新たな仕事がうまれる利点がある。その利点を移住促進に活用しようと、地方が動き出しているという記事です。
移住促進に活用できるようなコワーキングスペースは、そこが地域の中でハブ的な役割を担っていて、その場に行けば、地域の人や同じように移住してきた人たちと交流が持てる環境になっているものです。
わたしが丹波市に移住して、ご近所で働き始めた時に一番感謝したことが、正にその環境に身を置けたことです。
ご近所ではたらくようになって、ちょうど1年半。丹波市に移住してからも同じく1年半です。来た当初は、スタッフが取材や打合せに出かけるたびについて行って、はじめましての挨拶をしてまわり、
「これから●●さんとこに行くんだけど、一緒に行かない?」と誘われては出かけて行って、最初に刷った名刺100枚は3カ月も持たず、あっという間になくなったほど。
同時に、会社にやってくる、お客さん、フラリと遊びに来る人、ちょっとの時間をここで仕事する人たちから、「彼女だれ?新しい子?」と聞かれては自己紹介をする日々。
そのおかげで、社内はいうまでもなく、地域の人たち、とりわけキーパーソン的に活動している方たちと、わりとすんなりと交流が持てるようになりました。都会ではたらいていた感覚からすると、かなりハイペースな繋がり方だなぁと驚きで、ご近所という会社のもっているコニュニティの力に感心していました。(会社自慢ではないですよ)
同じようなことがシェアハウスでも起こっていて、わたしはシェアハウス暮らしではないけれども、イベントやご飯会でシェアハウスに行けば、こちらは移住者たちが集まる場として成り立っていて、一緒に何かやろうといった空気も漂っています。ここに身を置くと良い意味で巻き込まれていって、自然と地域の一員として活動することが出来るなぁと感じたものです。
現在、ご近所はテレワーカーさんにオフィスを開放しており、個人事業者のデザイナーやプログラマー、コンサルタント業の方々が仕事場として利用しています。
昨年の11月~12月にかけては、はるばる東京と大阪から、丹波市の移住定住促進にむけた「お試し移住企画」を利用して3名の方がご近所を仕事場にシェアハウスを住居に、市内でテレワークの日々を過ごしました。シェアオフィスとシェアハウスで毎日新しい人と出会い、いろんなイベントや飲み会にも誘われて、1週間~2週間ほどの短期滞在で、驚くほどたくさんの関わりを持てたと感想を聞いています。
しかも、デザイナーやエンジニアなど限られたデザイン業界のクリエターたちだけではなく、蕎麦屋の店主、カフェのオーナー、工務店の社長、公務員、地域おこし協力隊員、酒蔵の蔵元、子育て中の主婦デザイナー(子供さんも一緒に)、学生、野菜・米・卵など多様な農家さんたち等々、地域ならではの老若男女・多種多様な活動をする人たちとの交流です。ご近所の場合はスタッフが、シェアハウスであれば住人たちが、「今、うちでお試し移住している●●さんです」と紹介して自然と交流促進の役割も担っているから、地域との壁はさらに低くなるように思います。
地域のハブ的なコワーキングスペースやシェアハウスは、移住を考える人や地方が気になる人たちのはじめの一歩に適した存在です。移住とはいわないまでも、会社勤めだけじゃない多様な働き方が広がり始めている今、家で仕事をするのも、カフェで仕事をするのも、東京から500キロ離れた地方で仕事をするのもあまり変わらないという業種であれば、豊かに暮らせる場所を仕事場のひとつとして持つという選択肢もありなはず。
ご近所では、多様な人が集まるコミュニティを仕事場としたテレワークスタイルを「プラグイン型テレワーク」と名付けて広めていこうと考えています。地域の「人脈」エネルギーが集まった場に接続して活動できることが「プラグイン」。プラグイン型テレワークは、そこにやってきた地域の人とテレワーカーたちとで、きっと良いコラボが生まれると思います。
丹波市のお試し移住も、ご近所でのテレワーカーも絶賛募集中ですよ~!