森で遊ぶ力、持っていますか?

丹波市で開催されている「地域づくり大学」。

その中の講座に「野遊びリーダー塾」というコースがあります。

森林インストラクターであり、幼児教育を専門とする山﨑春人さんが講師をされていて、4回コースのうち只今2回目が終わったところ。

私がなぜこの講座を受けているかというと、只今2年生と4年生の母であり子育て真っ盛り。

恥ずかしながら、とても自然がいっぱいの環境に暮らしていながら、森や山接する機会もなく11年が過ぎました。

生まれも育ちも大阪で「都会」のもやしっこだった私。当然子供のころも「裏山で遊ぶ」なんていう経験をしたことがありません。折角、恵まれた環境にいるのに子供たちを山で遊ばせる経験をさせることができないなんてもったいない!

というわけで、「野遊び」って何?ってところからスタートしてみようかと。

講座を受けてみての感想は 「いや~知らん事ばっかりやわ。」

 

今日のテーマは「子供の発達と野外体験」。

最初に手渡されたものはこちら↓

すのき

「はっぱをかんでみて」と言われて口に含むと…。

「すっぱい!」

これなんですか?

「酢の木」

「そのままやん!」

と思わず突っ込んでしまいました。

この木は昔、喉が渇いたときに噛んで唾液をだしたのだとか。学名と違って日本でつけられている「和名」はこのように印象そのままにつけらたものが多いのだとか。

こんな感じで植物を教室内に持ち込んで、実際の味覚や触覚、嗅覚にふれることも織り交ぜつつ講座は進みます。

 

こうした山や里の植物についての知識は昔は子ども同士遊びの中でで伝わっていたものですが、同じ学年の子ども同士で遊ぶことが多くなり途絶えてしまうことが多くなりました。

 

こちらは「いたどりの笛」

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ビール瓶をふくと音がなりますよね。そのようにイタドリを切って吹くと「フォ~」といったような音がなります。

結構大きな音がなりました。葉っぱなどの植物を使って吹く笛は音が鳴るとなぜかとてもうれしい感覚を呼び起こします。

イタドリの笛を吹く

幼い頃にこうした体験をして、成長して学校で学習したことが「腑に落ちて」知識も身についていく。

 

講座が進んでいくにつれて山崎さんは

「教育の目的、目指すものってみなさん何だと思われますか?」

と問いかけました。

受講生の中から

「自立できるようになること」

との答えが返ります。

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この目的がわからずに教育されることが多い。大学生になっても

「先生、トイレに行ってもいいですか」と許可をとろうとする学生の話をして下さいました。

聞いたら怒られずに済むという学生側の問題と

聞いてくれると楽だから指示する教育者側の問題が同時にあり、自分で考えて判断し、行動するということをしなくなってしまった例です。

 

この話を聞いて私はドキっとしてしまいました。

なぜなら、うちの下の子の口癖が

「~~してもいい?」と聞いてくることだからです。

この言葉を聞くたび何とも言えない違和感を感じていました。

 

考えない子ども、指示を待つ子どもを自分が作り出している・・・。

今の自分の子どもの「遊び」を見ると室内遊びがほとんどで与えられたおもちゃとゲーム、漫画か読書。こんなもんです。近所に遊びにでたとしても子どもが少なく、外遊びしている子どもに出逢いません。夏は殺人的な暑さで日中は外遊びしてきなさいというのも忍びない感じ。

 

極端に遊びの経験が乏しい。

 

ガキ大将がいなくなって、あそびの中で覚える学ぶ機会も減りました。

これじゃダメだと不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

 

この講座では遊びがどのように子どもの発達に影響を及ぼすか、遊びの中でどんなことが学べるかなど具体的は例をあげながらわかりやすく話されます。

昔はガキ大将がいて、子どもの集団の中のリーダーシップの最たるものでした。それを小さな子どもたちは見ながら育った。自然に学ぶことができたのです。山の中も「安全」ばかりではありません。「危険」があるから自分で判断したり、そうした集団の中で見聞きして学んでいく。あるいは、「痛い目」にあって体得していく。

そういうことって重要ですよね。

 

脳科学の面からの話もありました。

例えば、納豆の話。

山崎さんは関西の人なので、納豆は腐ったものの匂いにしか感じられない。

ところが、小さなころから納豆を食べている人は「納豆の匂い」と「腐ったもの」の匂いの違いを感じ取れる。

 

この話は私の中では妙に納得いく話でした。私は「納豆の匂い」と「腐ったもの」の匂いを明確にかぎ分けられるから。納豆嫌いの人ってそれを区別する感覚自体をなくしているとは!

なるほど、使わない機能を捨てていくことも発達の一貫という話を聞いたことはありましたが、身をもって「腑に落ちた」感覚がありました。

 

発達とはある意味持っている感覚を捨てることでもある。脳の使わない部分は機能しなくなる。

 

子どもを教育する際にこの時期までにこれを習得されると身に着けやすいという話もあり、(それを敏感期と呼ぶそう)それを過ぎれば、身につかないことはないけれど、学習のスピードは非常にゆっくりしたものになる。我が家の子供たちは野遊び体験、間に合うだろうかと思いつつ講座を受けました。

 

次回は、「野遊びメソッドあれこれ」 野遊びの方法論を学びます。

3回目からでも学んでみたいという方、

お問い合わせは丹波市まちづくり部市民活動課 生涯学習係まで
TEL 0795-82-0409

 

山崎さんは「あそびの学校」校長として、毎月1回森での親子活動を開催してもいるので、私も子どもたちをつれてこの春から参加しています。すぐ、「だるい~」とか「退屈や~」などと誰かを頼って何とかしてもらおうとする我が家の子どもたちもこの日は楽しみにして自分から「行きたい!」と積極的な面も見せてくれているので、母も同時に学ばねばな~と思う次第です。

 

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黒文字の枝。柑橘系のさわやかな香りがします。昔は山の中でお茶を持っていなくても、この枝を煮出してお茶の代わりに飲んだのだとか。胃腸によいそう。

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