● 晩酌女子のススメ制作奮闘記 – 第弐部 – ●

 

こんにちは〜編集部のはるかです。
さて、長い奮闘記後半に入って参りましたよ!
この頃は手帳のスケジュールとにらめっこしながら、
手に汗握るスケジュール感で動き回ってましたね(遠い目)
では、後半も引き続きお付き合いくださいませ!

 

※ 語り出したら結構長かったので、2部にわけてお送りさせていただいてま〜す^^※
〜 第壱部はコチラから 〜

—————————————– 【第弐部】よーい、スタート!!  ————————————————–

 

| の  | 次に行かれた酒蔵はどこですか?

| 恒  | 鴨庄酒造(かものしょうしゅぞう)さんですね【ご近所取材記事はコチラ】。

| の  | 鴨庄酒造で一番印象に残ったのはなんですか?

 

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| 春  | 私はやっぱり社長さんの荻野さんのお人柄です。荻野さんはいくつになるんだろう。80歳くらいですよね?酒蔵さんには蔵元さん(※3)と杜氏さんが別々でいることが一般的のようですが、荻野さんはその二つを一人でやられている。

| 恒  | すごいですよね。夜中に麹がせっせと活動している音を、蔵の中で聞くのが好きって話していたのも素敵でした。

 

DSC_0171のコピー↑蔵元兼杜氏の荻野社長。たまに見せてくださる微笑みがなんだか嬉しかった。↑

 

| 春  | そうそう。あと鴨庄酒造さんといえば!の銘柄「百人一酒」は、もともと「お酒をつくってたくさん売ろう!」という意気込みで始まったわけではなく、「村でたくさんコシヒカリが余ってしまってどうしよう?」という村の自治会からの相談事が発端だったというのがまたすごい。コシヒカリは酒造りに適した酒米というわけではないので、そのお米を美味しいお酒にするために、文字通り血滲む努力が必要だったのだなと、それを見事にやってのけた荻野さんのひたむきさと人としての温かさみたいなのがひしひしと伝わってきました。口で語るよりも、背中からひしひしと!

 

DSC_0134↑入り口。「こんにちは〜」と大きな声で言うと奥さんが答えてくれる。↑

 

| 恒  | 本当にそうですね。村の人百人でつくる一本のお酒。毎年ラベルにはその百人の名前が刻まれたラベルが貼られるんですよね。女性には特に人気のようで、とくに日本酒初心者の方には優しい呑み口が嬉しいお酒ですね。

 

DSC_0136↑「百人一酒」の瓶。お米を作った農家さんの名前が刻まれています。この名入りバージョンはお米を提供してくださった農家さん限定。お酒を一緒に作った一人として刻まれるのが素敵です。↑

 

| の  | そして最後が西山酒造場さんですね?【ご近所取材記事はコチラ

| 恒  | そうです。西山酒造場さんは160年以上続く酒蔵さんで、もちろんですが、他の蔵とは印象がまったく異なる感じでしたね。「丹波のリラクゼーションの創造」という社訓を掲げて、ビジョンのもとにお酒造りをしていて、晩酌女子のイメージには本当にぴったりの酒蔵さんという感じですよね。かりにやさぐれながらでも、「路上有花(ろじょうはなあり)」(西山酒造場「小鼓」純米大吟醸の銘柄の一つ)を一杯だったら、なんとなく「女性としての魅力をあげる」、気品ある晩酌ができそうですよね。

| 春  | そうですね「お酒造り」を超越して「文化づくり」をしてるような。それから印象的なのが酒造りに対しての姿勢です。社員が一丸になってつくるという一体感が酒蔵の文化として根付いているような印象を受けます。例えば酒蔵の中の役割ってお酒を「つくる」人と「売る」人は、各々それだけを追求するようなイメージがありますが、驚いたことに西山酒造場さんでは数年蔵人だった人が営業の経験もしていたり、その逆もあったりと、本当に「つくる」ところから「お酒を届ける」ところまで、一丸となって酒造りをしているまるで代々続く家族のような酒蔵さんという感じ。酒蔵にいくと毎回通りすがる社員の方もれなく全員から「こんにちは!」ってとても元気よく挨拶してくださって。

 

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DSC_0153↑上 西山酒造場販売店の外観。この日はとても天気がよかったです。↑
・中 蒸される前に洗われた酒米                 ・
↓下 麹がぷくぷくと活発に発酵しています。             ↓

 

| 恒  | 本当に!今回酒蔵を案内していただいた本間さんは、まだ若いですが杜氏見習いという肩書きで。本当に心の底からお酒造りが好きで、西山酒造場が大好きで!という感じで。見ていて本当に素敵です。

| 春  | ですよね!酒造りにも一貫したビジョンをお持ちの西山酒造場さんのお酒、実はまだまだ晩酌女子見習い中の私でも飲みやすくて美味しいお酒がよりどりみどりで。清酒も好きですが、私はリキュールも好き!笑 「梅申春秋」が一番好き。

 

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DSC_0171↑上 蔵見学から試飲まで西山酒造場DNAを伝えてくださる本間さん↑
↓下 蔵からでてふと前を見たら。夕日があたって綺麗     ↓

 

| の  | いいですね〜そんな取材をもとに冊子を制作していくのですね?
企画はどうやって考えたのですか?

| 恒  | 20〜30代女性がどんな情報があったら楽しく晩酌女子の世界に入りたくなるかということを意識しながら考えました。酒蔵さんを紹介するだけでなく、いろんな種類のお酒とそれにあった呑み方があることや、やはり丹波の酒蔵をまわって欲しいので「酒蔵マップ」は必須でしたし、晩酌女子へのとっかかりとして「晩酌女子セルフチェックリスト」も入れたら楽しいなとか。

| 春  | あとは取材先で見つけた酒蔵の「へ〜おもしろい!」みたいな豆知識もとっかかりとして入れました。私なんかは日本酒素人だったので全ての情報が好奇心をくすぐる豆知識でした(笑)。杜氏さんのことを蔵の人たちは親しみも込めて「おやっさん」と呼ぶこととか、よく酒蔵の前にぶら下げてある杉玉にきちんとした理由があったこととか。

 

DSC_0395↑緑から茶色に変わる杉玉は、お酒の熟成具合も教えてくれます。↑

 

| 春  | 最初から企画の段階で情報の枠を決めて、ピンポイントに情報を取りにいくところもあれば、実際に取材に行ってみて「これは絶対におもしろい!」と思ったものをあてこむこともあります。本当にたくさんある情報の見せ方の中での取捨選択と、差し迫る時間との戦いという感じです笑

| の  | 冊子の校正やデザインを考える時に意識したところはありますか?

| 春  | 冊子の流れは恒さんが考えたラフをもとに、細かいところを肉付けしていく感じで。まずは冊子の最初の方にとっつきやすい豆知識情報や、そもそもなんで丹波で晩酌?という読み手の好奇心をかき立てつつ「?」をなくしていくものをもってきて、その後「では早速丹波にはどんな酒蔵があるのでしょう?」という流れに。読み進めて行くうちに段々と「ラベルの読み方」や「料理に合わせたお酒の選び方」など実践的な情報をもっていきました。あとは、当初デザインの全体的なイメージカラーはピンクだったのですが、「丹波で晩酌」って何色?ピンク?ではないな・・・・というとこから、地元っぽい落ち着いた、でもさらっと気品のある茶系をメインカラーに使ってみました。

 

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↑上 冊子を見ながらどうだったか思い返す二人 ↑
・中 冊子表紙案投票しましたね。熱かったです。・
↓下 冊子入稿前校正したもの。毎回冷や汗もの!↓

 

| の  | 制作とも同時に進めなくてはならないのがブース企画ですね。ご近所としては初めてのブース出店!出店までの奮闘記を教えてください!

| 恒  | そうですね、まずそもそもどういうものが出来るのかっていうイメージがつかなかったので、大阪でやっている芦原橋アップマーケットに視察にいきましたね。そこではオーガニックコーヒーのお店があって、販売しているだけじゃなくてコーヒを淹れていて、お客さんも座りながらそれを見て飲める空間がとても魅力的で。晩酌女子も、売るだけじゃなくて晩酌を楽しめる空間をつくろうと思いました。

| 春  | ブースをつくるじゃなくて、雰囲気をつくってましたよねあのオーガニックコーヒー店さん。

| 恒  | そうなんです。晩酌女子は所作を大事にするとか酒器やお料理を丁寧に怠らないことが重要なので、日本酒の晩酌ってなんかおっちゃんぽいけど、こういうスタイルだったら飲みたいかもと思ってもらえるようにしたかった。こう・・・新たな晩酌女子の発掘、憧れすら抱くようなものづくりを心がけました。

| の  | 当日はどういう風にその所作とか空気感を伝えましたか?

| 恒  | 当日は日本酒の嗜み方に関する本とか、おすすめ酒器とか、レシピとかを置いて、こういうことしたらおしゃれだよね〜というのを伝えるようにしました。

 

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↑当日出店の様子。2月は西山酒造場の本間さん、3月は山名酒造の山名社長が直々に助っ人に来てくださりました!↑

 

| 春  | たくさん購入してくださる人多かったですよね。後日THMの実行委員の人も、ただ売るだけじゃなく呑み方を提案をしてくれるのが、本当に分かりやすくてとっつきやすいと言って下さってましたよ。

| 恒  | そうですか?それは嬉しいですね〜よかった。

| の  | 当日お客様とのやりとりの中で印象に残ったことはありますか?

| 恒  | 実際にリアル晩酌が始まったことですね。奥様方が、「ここで一本飲みたいから試飲用のカップちょうだい」って、休憩スペースで買ったお酒を開けてリアル晩酌が始まったんですよ。晩酌女子が目の前で生まれたっていう。目指していたものが実際に実現したのが嬉しかったですね。初めてのブース出展、緊張しましたけどいろんな方達が当日もお手伝いをしてくださり楽しかったです!

| 春  | お疲れさまでした!!これから丹波を晩酌の聖地にしていくっていう笑

| 恒  | そうですね、次のステップですね!

| の  | 楽しみですね!お二人とも、ありがとうございました!

| 春  | のまきちゃんありがと〜

| 恒  | ありがとうございます〜

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※3 蔵 元(くらもと):
地酒造りの醸造元である酒蔵を運営・所有している主の総称、オーナー。

 

—————————————————- 【第弐部】終了!!  ————————————————————-

 

晩酌女子プロジェクト奮闘記、お楽しみいただけましたでしょうか!
晩酌女子のススメ、大変ありがたいことにTHMではなんと大盛況でした!
お越し頂いた方々には感謝感謝です。これからの「丹波de晩酌女子のススメ」プロジェクトの展開も引き続き温かく見守ってくださると嬉しいです。以上、怒濤の制作期間を経て、パソコンに「とうじ」と入力すると「当時」ではなく「杜氏」と自動変換されるようになってしまった晩酌女子見習いのお春からでした〜。

次回も何かしらお楽しみに!終わったし呑むぞー!!

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