ジビエ と聞くと、みなさんはどのようなイメージがあるでしょうか?
私は、ジンギスカンを食べたときの印象で、独特の臭みがあると思っていました。
でも、丹波に来てからその印象は全く変わりました。
野山をかけまわっている野生の猪や鹿は味がしっかりしていて美味しい。
仕留めてから、血抜きをしっかりしていなかったり、
捌くのに時間がかかってしまったりすると臭みが出てしまうそうなんです。
趣味ではなく仕事として、猟をしていたり、お肉を捌いている方たちは
命を頂くということをとても大切にしていて、
1番美味しい形で食べるということを常に心がけているなと感じます。
私が丹波に来てからお世話になっているかつさんこと中尾勝志さんは
ジビエを扱う食肉製造のお仕事をしています。
かつさんが猪を捌く様子は速くて本当に格闘技のよう!
かつさんと奥さんのみゆきさんは
夜は居酒屋かつべいをおふたりでされています。
カウンターを囲んで座るお客さんたちみんなにかつさんが話しかけるので、
店内はいつもみんな一緒に飲んでいるような感じです。
猪の狩猟解禁がされて、冬になるとボタン鍋のシーズン到来です。
いくら夜遅くまで飲み歩いても、次の日は朝早くから猪を捌きます。
夜はボタン鍋の予約が毎日入って本当に忙しそう。
「シシはなぁ、アブラが甘くて旨いやろ。」
と、かつさんは言います。
たしかに焼き肉も牛や豚の中間のような、また少し違うような、独特な感じ。
「やっぱりな、養殖の豚や牛とは全然違うからな。」
焼き肉もいいけど、ゴボウとか野菜の味がしみ込んだ汁で味噌で煮込んだボタン鍋
「山椒かけてな、めちゃくちゃ美味いからな、
せっかく丹波に来たんだったらぜひ食べてもらいたいな。」
かつさんちファミリーは
奥さんのみゆきさんとゆうた君、こうめい君、りょうかちゃんの3人と
それからお店の常連さんたちも一緒に、お花見やBBQをしたり、海に行ったりと
よく顔を合わせます。
昔やんちゃをしていた人、おとなしい人、にぎやかな人
シングルマザーも家族連れも
みんなわけ隔てなく、かつさんたちファミリーを中心にいつも楽しそうです^^
かつさんは
私が父親がなくなってすぐに丹波に来てしまい、母を静岡でひとりにさせてしまっていることを
よく気にかけてくれます。
ちょうどかつべえのお花見のときに母親が丹波に遊びに来ていたのですが
母も私も遠慮しがちなので母を家に置いて私がひとりお花見に顔を出したら
「お母さんを連れてこないと縁切るぞ」と、断る余地をなくしてくれて
あのときは母親を迎えに行く車の中で、かつさんの暖かさになんだか涙が出ました。
丹波での暮らしを始めてから丸2年経ち、3度目の冬の真っ最中です。
人見知りな私が、見ず知らずの土地に来て、やってこれたのは
本当にいろいろな人に愛情もらってお世話になっているおかげです。
都会の仕組化されてるからこそできる希薄な人間づきあいは、
時には気楽に感じるときもあるけれど
それってなんだか社会に飼われているようで
やっぱり、人と人とのつきあいっていうものを大切に、生きていきたいな なんて想うのでした。