デザイナー・中川知秋「私がデザイナーになった理由」

晩酌女子見習い兼、ご近所デザイナー(順番はこれでいいのか?)中川知秋。丹波に移住して2年、最近では「丹波、いいところです」を合言葉(?)に地元の人や移住仲間から愛されている彼女。彼女はいかにしてデザイナーを志したのか、そのターニングポイントに迫りました。

 

晩酌女子師匠の恒さんと、修業中(?)の一枚。

晩酌女子師匠の恒さんと、修業中(?)の一枚。

(済木)知秋さんは、丹波に来る前からデザインの仕事を?

 

(知秋)いえ、丹波に来る前は自動車関係の、ちょっとマニアックな仕事をしていたんです。その前からデザインの仕事をしたいなって気持ちはあったんですけど、ひとまずは働いてみようという気持ちで働いていました。

 

(済木)デザインの仕事をしようと思ったきっかけはあったんですか?

 

(知秋)漠然とした気持ちはあったのですが、本格的にやってみたいと思ったのは、前の仕事を辞めたときでした。その時、結構本屋さんをはしごするのにハマっていて。

 

(済木)それは、本を読むのが好きだから?

 

(知秋)いや、むしろ本とか読めないほう(笑)。本読めないくせに本屋めぐりにハマっていたんです。っていうのは、装丁を見るのが好きで。自分が読めないような難しい内容の本でも、「こういう装丁なんだ」って目を見て楽しむのが好きで。ご近所の朝礼でみんなが本を紹介してくれる時も、「ああこの本は、絵がこっちの方に書いてあるなぁ」ってつい見てしまうんです。

 

(済木)デザインの仕事をしている人ならではの視点ですね!

 

ハピネスマーケット事務局としても頑張っています。

ハピネスマーケット事務局としても頑張っています。

(知秋)自分が読む本を選ぶときにも、例えば最近はこの本を読んだんですけど、

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この本は、みうらじゅんさんがこれまでカテゴリやジャンルになかった仕事を生み出してブームを作っていった、その方法が紹介されています。みうらじゅんさんって、ふざけているように見えて真剣、真剣なんだけどその取り組み方に遊び心があるっていう感じで、取り組み方や考え方が面白くて何冊か読んでいるんです。この本のブックデザインはただの白い表紙じゃなくて、ホログラムみたいなちょっとちかちかする装丁になっていて、それがみうらじゅんさんの、目の付け所の良さを表しているんだなと感じて、素敵なデザインだなって思っています。

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(済木)ちなみに、知秋さんの「ベスト・オブ・装丁本」ってなんですか?

 

(知秋)まさに、この仕事をしたいと思わせてくれたきっかけになった本が、これで。

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これは、紙が好きな3人の人が始めた会社の歩みが書かれてるんですけど、私自身紙が好きだし、活版印刷も好きで、素材感とか感触とかを感じることが楽しいな、やっぱりこういう仕事がしたいなと思ったんです。ご近所の朝礼で本を紹介するときの第一冊目もこれでした。

 

(済木)まさに「私の人生を変えた一冊」!この本に出会って、一歩を踏み出したんですね。

 

(知秋)この本に出会ったことをきっかけに、デザイン学校に3年間くらい通いました。当時の私は、デザインの仕事がしたいと思っていても、あまり知識もなく、実務経験も全くなかったので、狭き門であるデザインの仕事は、面接にすらいけないような状態でした。まずはビギナーコースを受講して、基本的なイラレの操作法を教わったりしたのですが、これがまあ楽しくて。カリキュラム自体は半年弱くらいだったんですけど、そのあと深めていきたいなと思って、またポートフォリオをしっかりつくるためにも3年勉強していたという感じです。

 

(済木)そのポートフォリオをひっさげて、ご近所にやってきたという感じですね!

 

(知秋)そうそう、地方でのデザインに興味を持って、会社見学のつもりで、そのポートフォリオも持ってきて。小橋さんが無言で見ていたので、「どう思ってるのかな」と思っていたら、「じゃあ、いつから来れますか?」みたいになって。「えっ、これって面接だったんですか」みたいな感じだったんです(笑)。

 

(済木)なんか目に浮かびます(笑)

 

一年前の知秋さん、仲良くなった地域のおじさんたちが後ろに。

一年前の知秋さん、仲良くなった地域のおじさんたちが後ろに。

流れるように丹波に来て、流れるように夢の仕事を始めた知秋さん。地域の人と楽しい企画を考えたり、フリーカフェを始めたり、地域デザイニングの楽しさにもハマっている彼女が、これから丹波をどうデザインしていくのか、楽しみです。

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