ウェブデザイナー&絵付師!伊藤由起に聞く、「衝撃の一冊」

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ウェブデザイナー&絵付師!伊藤由起に聞く、「衝撃の一冊」

By 済木麻子, 7月 8, 2016

ウェブデザイナーとして各種サイトの構成やデザインを手掛けるご近所スタッフ・伊藤由起。彼女にはもう一つの顔があります。絵付師、伊藤花青。陶芸家であるご主人、伊藤岱玲氏の作品に花青さんが絵付けをした作品が、各地での個展、またネットショップでも取り扱われています。彼女の歩みと、彼女に影響を与えた一冊について、伺いました。

 

(済木): 由起さんは、ご近所でもイラストを描かれていたり、ご主人との共同制作をされたりしていますが、絵は以前から好きだったんですか?

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(由起):高校の時も美術部で、その時に先生に勧められて、大学は芸大で日本画を専攻して。自分で描くのは植物が多いけど、見るのは美人画とかが好きだった。外で絵を描くということもしたいなと思っていて。

 

(済木):特に、影響を受けた画家さんがいたりするんですか?

 

(由起):結構、王道が好きで。大学時代に教わった先生は、上村松園さんのお孫さんだったんだけど、上村松園さんもすごく好き。あとは、竹内栖鳳さんとか、伊藤深水さんとか。あとは、大学時代に好きになった田中一村さん。大学時代にこの人の美術展を見に行って、すごい衝撃で。

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(済木)衝撃……!どんな感じだったんですか?

 

(由起)まずこの人の人生が凄く壮絶。割と最近の画家なんだけど、若い時から才能もあって絵もうまくて。でもその当時の画壇とうまくいかなくて飛び出してからは、どこにも所属せず、独自の路線で絵を描き続けて。本当に命を懸けて絵を描き続けて、描けるだけ描いて、最後は奄美大島に絵を描きに行って死んだ……という人生。奄美大島の大島紬の工場で勤めて、お金が貯まったら1年絵を描いて、また5年勤めて、絵を描くためにお金をためて……。

 

ご主人の作品に、由起さんが絵付けをした作品

ご主人の作品に、由起さんが絵付けをした作品

(済木)すごいストイックさですね!

 

(由起)うん。だから、田中一村さんの絵の迫力たるや!本物を見たら、当時の私はあまりにも衝撃を受けて。自分自身、絵を見てここまで衝撃を受けることがあまりなくて、でも田中一村さんの作品は、とても緻密で、ストイックで。こんな素晴らしい画家がいて、素晴らしい作品があるんだということに驚いた。その時に図録を買って帰ったんだけど、今でも見るたび感動する。

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(済木)由起さんにとって大切な一冊なんですね。

 

(由起)その後、10年後ぐらいに、田中一村さんの展覧会をもう一度見に行く機会があって。この図録を買った展覧会はバブルの真っ最中で、15年後は完全にバブルが崩壊してたんだけど、10年後の方はこの作品集にあるような、「命を賭して描く」という作品ではなく、傘やうちわに描かれた作品だったり、生活のために書いた売り絵などが集まっていて。それも、同じ人が描いた作品でもこうも違うんだ!って驚いて。改めてこの図録に残されているような作品は、真剣に向き合って書いたものなんだ、真剣に書くってこういうことなんだということも、学ばせてもらったわ。

 

芸術大学を卒業後は、京都の窯元で5年間絵付けに従事し、その後ご主人と一緒に篠山・丹波に移住してきた由起さん。変わってきた生活の中でも、デザインや共同制作など、作品を作り続けてきたその中には、影響を与えた一冊、衝撃を与えた芸術家の存在がありました。

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済木麻子

済木麻子

・名前   済木 麻子/Asako Saiki ・活動拠点   丹波↔奈良 ・担当   ライター ・メッセージ 奈良県出身、丹波市在住のライター。 「tocco.」をはじめとし、主に丹波をテーマに含む冊子、 ウェブサイトのライティングを手掛けてきました。 読書とアウトドアが好きな2児の母。 <主なテーマ> ご近所の本棚/編集記